この本は1940年5月に出版されました。出版から6年間は当たり前に本屋に並び、当たり前に一般家庭の書棚に並んでいました。この本に書かれている内容は、
・聖徳太子の遣隋使
・元寇
・豊臣秀吉の朝鮮出兵
・江戸時代の鎖国
など、現代の教科書にも載っている、ごく一般的な歴史ばかりです。
しかし、この本は戦後、日本を占領するGHQによって焚書処分されてしまいました…つまり、没収し、流通を止め、日本から葬り去られてしまったのです。
この本以外に焚書指定されたものは合計7,769冊。それらは、GHQが日本人の記憶から消したかった内容にもとづき巧妙に選ばれていたようです。しかもその選考には、日本人協力者が関わっていました。
どんな内容をGHQが消したかったのか、少し想像してみると
「戦争を想起、戦意高揚」
「神格化された天皇家に関する歴史」
などがすぐに浮かぶと思います。もちろんそんな内容の本も焚書処分されたのですが、なかには「なぜこの本が?」と思われるものも数多く含まれていました。
今回ご紹介する『海の二千六百年史』もそんな一冊です。
じつは、この本には海洋国家・日本の2600年に渡る歴史の裏が、数々のエピソードと共に書かれていました。古代日本の海の生活、中国との関係、元寇、朝鮮出兵、鎖国、ペリー来航などに関する、戦前の日本人が書いた裏側の歴史…。GHQはそんな歴史を日本人に知られるのを恐れ、この本を焚書処分したのかもしれません。
この本に書かれていた “裏側の歴史” とは?