1946年3月17日。日本を占領したGHQ は、戦前まで刊行されていた大量の書物を、全国各地から “没収・廃棄” するよう日本政府に命令。日本国民の目に触れないように「文部省」や各都道府県の「警察」を使い、秘密裏に書物を没収させました。
こうして誰も気付かないまま、多くの書物が戦後の日本から忽然と姿を消しました。その数、7,769冊。それらの書物には、日米開戦における米英の戦略・暗躍を見抜いた学術書や、満洲事変勃発の真相を紐解き満洲をめぐる各国の謀略を分析した研究など、GHQが戦後の日本人には読ませたくなかった、戦勝国にとって都合の悪いものが数多く含まれていました。
ほかにも、支那事変の最前線にのぞむ日本兵が壮絶な日々を赤裸々に綴った手記や、明治の志士たちを動かし、近代日本の原動力を生んだ “秘密の学問” 、日本人の “道徳観” を教えるための教科書・思想書など、日本人としての生き方や叡智が凝縮された書物も多数ありました。